編み物は難しい…
レシピと言えば、お料理やお菓子の調理法を指すものだと思っていましたが、最近は手芸にも「材料及び作り方」という意味でつかわれていますね。
レシピに重要なのは、再現性があるかどうか、だと思います。つまり、そのレシピを見て作った時に元の作者の作ったものと同様に作れるのか、ということ。
お料理やお菓子は材料の分量、調理の手順、それぞれの工程での時間やコツなどを書くことでかなりの再現性が担保されます。ところが、編み物の場合は編み図や文章に表現できない部分が多くあって、これが本当に難しいのです。 本の指定の糸で、本に載っている通りに編んだのに、同じようにできなかったという経験があるという方、多いのではないえしょうか。
再現性が低い原因はやはり基本的な「編み方」の統一が図られていないからだと思います。針の持ち方、糸の持ち方、糸の張り方、かけ方等々…人によってばらばら、十人十色です。いわゆる「手が違う」から同じには出来ない。ですから必然的に多少サイズが違っても問題のない物や直線的なデザインが多くなるのもうなずけます。
一方、古い編み物の本などは今よりずっと複雑なデザインのものを、今よりずっと簡略な説明で載せています。昔の人はみんな編み物が上手だった?いえ、上手と言うより、身近だったのではないでしょうか。
洋裁や編み物で衣服を家庭で作るのが当たり前だった時代、今よりもっとお教室もたくさんあったし、周りにいくらでも聞ける人がいたでしょう。
今は YouTube先生が何でも教えてくれますが、やはりそばで実際に見て質問をしながら、どこを直すべきかを指摘してもらわないとわからないことはあります。教える側もどこが違っているのか、目の前で見ないとわかりません。
やってはみたものの出来上がらなくて、「編み物は難しい」「編み物が嫌になってしまった」ということもよく聞きます。せっかく編物に興味があるのに、できないと「思い込んで」しまうなんて、なんてもったいないことでしょう。
本の通りに出来上がらないのは、あなたが悪いのではないのです。是非、ちゃんと習ってみてください。編める人(教える人)と編めない人(教わる人)が対面したとき、編み物は「難しい」から「楽しい」に変わるはずです。